心理的安全性の現在地を探す
割と、このテーマで話すことが多いので補足も兼ねて書いてみるなど。
目次
- 心理的安全性とは
- 心理的安全性の有無は簡単にわかる
- ぬるま湯も駄目なんだよね
- 心理的安全性が高いって?
- Googleの7つのチェックリスト
- とりあえず、現状把握です
心理的安全性とは
全国各地で講演するときに、割と多くテーマにするのが、この「心理的安全性」だったりします。
「心理的安全性(psychological safety)」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。
とのことです。
まぁ、そりゃその方がいいよね…と当然に思いますが、実際にはそれができていない組織が多いわけです。
心理的安全性の有無は簡単にわかる
例えば、そのグループや団体で会議をしたときに、なにかご意見ありませんかと言われても誰も発言しないとか、そもそも会議中に発言する人が3人しかいない…というのは心理的安全性がない/低い状態です。
発言しない人の心理として「馬鹿だと思われるかも」「邪魔だと思われるかも」「もう会議終わるところなのに余計なことを言って伸びるぐらいなら…」などが挙げられます。
これって、現実に起きていないことを心配しているだけなんですよね。仮に、過去に似たような場面で誰かが馬鹿だと罵られていたことがあったとしても、いま、あなたに、同じことが起きるなんて決まっていない。なのに、想像の中でもう駄目って思われちゃう。そういう組織の雰囲気だということです。
ぬるま湯も駄目なんだよね
かと言って、安心してなにか質問できるからいい組織かというと、そんなこともない。
質問ありますかと言われたら誰かが当たり障りのない質問をしてうふふと笑って終わる会。みんなで空気を読みあって、まぁ頑張れって言われてるけど誰かが頑張ったら事情があって頑張れない人(実際にはそういう人はいないケースがほとんど)が嫌な思いするかもしれないからみんなでやめとこ、みたいな。
新しいことをしなければ衝突もしないからみんなでぬるま湯に浸かっていましょう、というのは決して心理的安全性が高いわけではないのも注意ポイントです。
心理的安全性が高いって?
じゃあ心理的安全性が高いって具体的にどういうこと?というと、率直に意見ができるというのも当然にそうなんだけど、「チャレンジ精神がある」「成長意欲が高い」「新しいアイデアが生まれる」「挑戦が評価される」あたりがポイントとして挙げられることが多いです。
案外ガツガツ系ですよね。
そう、心理的安全性というのは目標・目的のある組織だからこそひつようなんです。現状維持を希望しているならぬるま湯でいい。でも、例えば家族でもっと幸せな家庭になっていきたいと思うなら、そこには心理的安全性があった方が良い結果が出るということです。
Googleの7つのチェックリスト
こんなチェックリストがあります。評価基準が分かるようになると思うので、どこかの組織を思い浮かべながらやってみて下さい。
No | 項目 | 該当する場合は「5」、しない場合は「1」 |
1 | チームの中でミスをすると、いつも非難される | 5・4・3・2・1 |
2 | チームのメンバーは「自分と違う」ことを理由に他者を拒絶する | 5・4・3・2・1 |
3 | チーム内の他のメンバーに助けを求めにくい | 5・4・3・2・1 |
4 | チームのメンバー同士で、課題や難しい問題を指摘し合える | 5・4・3・2・1 |
5 | チームに対して、リスクのある行動をしても安全と感じる | 5・4・3・2・1 |
6 | チーム内の誰も、自分の仕事を意図的におとしめることはしない | 5・4・3・2・1 |
7 | チームで仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる | 5・4・3・2・1 |
※上記7つの質問に5段階で回答してもらう。1~3の質問に関しては数値が低い方が、4~7の質問に関しては数値が高い方が良いと判断する。
とりあえず、現状把握です
まずは、自分たちの組織がどの程度心理的安全性があるのかを明確にする。改善のスタートはそこからだと思います。
個人的な経験でいうと、メンバーたちがどんな特性・キャラクターであったとしても、心理的安全性を高めればみんながそれぞれの才能を発揮してチームの力で結果が出せるということははっきりしています。
ちかいうちに、現実に心理的安全性を高めるための方策をいくつか挙げていきます。