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旅行嫌いが治るまで
元々旅行が嫌いだった私が思う、旅行の効果。
目次
- 旅行が嫌いでした
- 望むと望まざるとに関わらず旅が来る
- 旅の経験が増えると変わること
- 旅を繰り返して分かったこと
- 講演する時の心持ちも変わる
- 旅は感謝だった
旅行が嫌いでした
旅行って、エネルギー使いますよね…。
行き先を決め、やることを決め、外泊に必要なものを揃えてパッキングし、行った先でも変わったことが起きて余分なものを買ったり、ここぞとばかりにご当地フードを食べて太ったり、お土産物で散財したり、帰ったら荷解きに洗濯…。めんどくさいです。
そもそも私は昭和生まれのデジタルネイティブ。
旅行なんか行かなくても、ググればたいていのことは分かるし、なんなら肉眼で見るより綺麗な風景写真とかいっぱいアップされてるし、お土産だってお取り寄せしたらいいじゃん…と本気で思って生きてきました。おかげで北海道も沖縄も行ったことがなく、四国は先週香川に行くまでは仕事で愛媛に一泊したっきりでした。
望むと望まざるとに関わらず旅が来る
しかし、近年ありがたいことに旅の機会が増えてきました。今年は一体何度新幹線に乗ったか分かりませんが、とりあえず先週も乗ったし今日も乗っています。たいていは講演です。ここ一年で48回ぐらい、誠にありがたいことです。
講演はもちろんオンラインでもできるわけですが、音楽に置き換えてもわかるようにライブにはライブの良さがあり、オンラインや音源ならちゃんと編集してコンテンツとして固めたらいいと思うわけで、わざわざお声がけいただく講演は前者のオーダーが基本です。
そうなると、必ず発生する、旅。一泊二日の事もあれば、長いと五泊六日もありました。もはやツアーです。
旅の経験が増えると変わること
旅が増え始めた頃は、そもそも乗り慣れない路線、買い慣れない切符にあたふたし、荷物を抱えて右往左往していました。枕が変わって寝坊したり、シャンプーが合わなくてすごい寝癖になったり。ああ、わずらわしい。観光もなにもせず、ただ現地に行って喋って帰るだけという時期が続きました。
しかし、旅の先輩が「いつまでも大きなボストンバッグを抱えていないでキャリーバッグを買いなさい」と言ってくれたので、切り替え。少し余裕が出ると、町をキョロキョロ見渡せるようになります。
移動中の新幹線なども、最初の頃は空いていればどこでもいいと適当な座席にしていましたが、慣れてくると少しでも静かなポジションを探すようになり、移動距離が延びると寝てばかりでもいけないなと仕事のしやすい車両を使うようになりました。通信環境が悪いのも分かっているので、ポケットWi-Fiも持参です。
今日も東京から名古屋までの移動の大半はオンラインミーティングに耳とチャットで参加しながら、書類を作ったりお茶を飲んだり。自宅で仕事をしているのと遜色なく過ごせています。
旅を繰り返して分かったこと
旅そのものの心理的負担が減ると、代わりに気づくことが増えます。
ここに来なければ会えなかった人、知らなかった歴史。町のにおいや、歴史的な背景。
ググれば分かると思っていたのに、ネットでおすすめされていた店が微妙だったり。地元の方に訪ねると毎回素敵なお店に連れて行ってもらえるので、びっくりします。
途中で次の街への移動を挟むこともありますが、それも現地の方に話すとお得な切符の買い方を教えてもらえたり。豊橋と名古屋の往復きっぷなんて検索しても出てこないです。車で送ってもらう時も、その時にしかできない話をして、知らなかったことをたくさん知ることになる。山から陽が昇ってオレンジに輝き、海に夕日が沈んでキラキラ光る。夕方に風が凪ぐ場所あり、季節によって山から突風がくる町もあり。こんなのネットで調べてもわからないし文字で見ても感じられない。
旅は旅そのものが目的でいいんだ。と、最近は思うようになりました。食わず嫌いもいいところ、日本中、世界中の人と直接会ってみて分かることの多さ。こうして外に出るから多様性への理解も深まるのだと思います。
講演する時の心持ちも変わる
最初は、講演で呼ばれるととにかく緻密な話をしようと、行きの電車から台本書きにエネルギーを使っていました。でも今は、その土地に行って、色々な経験をさせてもらって、知らないことをたくさん教えてもらって、その恩返しに話しています。土地が変わればニーズも変わるので、目の前の皆さんの反応に合わせて話す内容も変えています。
私は決して講演家ではないので、どの団体で話す時も行き帰りの交通費と、仲間たちにお土産を買うお金と、あとは現地で食べるものと喋る時のお水があれば十分です。異なる背景を持つ方々にわざわざ時間を作って話を聞いていただいて、感想文を頂いたり質問をもらうことで自分の生き方や経営を振り返る機会をたくさんもらっています。
旅は感謝だった
結局、旅ってなんなのかといえば、たくさんの新しい人やものや場所に何かを教わる経験の塊なのだと思います。
そして、旅から得るものが多いか少ないかは、旅の行き先が決めるのではなく自分の感受性やとことん掘り下げようという意識が決めているのだとわかりました。
旅嫌いだった私は、単に人生経験が少なくて、自分ばっかり見ていたのです。世界の主役は私じゃなく、みんな、全員。そう思えるようになってからの旅は楽しみばかりです。
さぁ、今日も講演頑張ろう。