魚と借金返済

弊社公式YouTubeチャンネル「日本管理サービス ゆーちゅー部」。 謎進化を遂げる配信活動の話。
目次

NKSといえばYouTube、みたいな

2023年9月に業務を開始した弊社。管理物件ゼロの期間が7ヶ月ほどありましたが、その頃から休まず続けているのが朝礼・土曜日の晩ごはん会・YouTube配信です。
元々私が某経営者団体で公式ライブ配信をやっていたこともあり、NKSでもYouTubeはやるよね?というのが既定路線という雰囲気もありましたが、じゃあコンテンツはどうするんだ?というのが課題でした。
会社の公式YouTubeチャンネル。Web制作会社の社長としてはSNS運用なども手掛けていますが、こと、自分の会社のことと考えると難しい。なにしろ創業したてで管理物件もありません。YouTubeでバズっているもの、情報としてロングテールでじわじわ観られているもの、他社の様々な事例をみながら頭を悩ませることになりました。

難しかったリノベコンテンツ

チャンネルを立ち上げて最初に作ったのが、築年数がなかなかなNSKグループの別会社が所有する木造賃貸アパートのリノベーションを追いかけるコンテンツでした。
専門家も入り、かなり斬新なリノベをして、途中経過も公開する。
国内外からアクセスがあり、初動としては悪くなかったのですが、いかんせん、そういくつもリノベをし続けるわけにはいきません。しかもクセの強い物件が仕上がったのでその後の入居者募集も一筋縄ではいかず、コンテンツ作りに数百万を投資した格好になってしまいました。※これはちかいうちに挽回しなくてはと思っています。

やっぱりライブ配信だ

元々、私自身が19歳からラジオに出させて頂いていたこともあり、ハタチぐらいからは生配信(当時YouTubeがまだなかったので、ストリーミングサーバを立ち上げていただいて、掲示板システムを並走させてコメントを頂いて紹介してました)もしていました。あの時代にライブ配信していた人は殆どいなかったので、黎明期もいいところ。けっこうアングラな扱いだったと思いますが、テキストサイト界隈の端っこにいたので、当時のインターネット人口を考えるとそれなりに盛り上がっていたように思います。
で、なんやかんや某団体でライブ配信番組の責任者やMCをさせて頂いた関係から、最近のYouTubeでのライブ配信のメリット・デメリット、自分自身の得意なところというのもある程度見えていました。
メリットはシンプルに、接触機会が増える。しかもテレビと違って画面の向こうではなく、ライブでコメントのやり取りができる双方向。理念経営をしているからこそ、会社のミッション・ビジョンや経営者の人となりを伝えるにはベストなメディアなのは間違いないです。
デメリットも多くあり、まずそもそも手間がかかる。そして、生放送で余計なことを言えばいずれ視聴数が増えたときに炎上のリスクが録画コンテンツよりよほど高いというのは間違いない。また、喋り手側のトークスキルが低いとコンテンツとして成立しないのも事実です。
これらを総合的に判断して「やる」と決断した結果誕生したのがライブ配信番組「不動産DX★DX」です。

ライブ配信番組の立ち上げはコストがかかる

番組をやりたい、と言ったところ、数社の方々から配信機材をお貸しいただくことができました。もちよりでほとんどのもの(3台の4Kカメラのほか、機材を乗せるテーブルや大型モニタ用の台、延長コードなどまで全部)が揃い、自分たちで購入したのは照明2基ぐらいでした。これはもちろん以前に番組をやっていたからで、普通にゼロからのスタートであれば150万円以上の機材購入費が必要になると思います。
そして、週に1度の配信にはボランティアで毎回大勢のスタッフが集まってくれています。多いと20人、少なくても8人ぐらい。プロもいれば、全くの素人でこの番組のために機材の扱い方を覚えてくれた人も多数。おかげさまで画面をいくつも切り替えながら、コメント紹介やCMの挿入、バリエーションのあるコーナーづくりができています。テロップやCMの素材も自分たちのお手製なので、エネルギーは高くコストは低く運営できています。これはもう、支えてくれるスタッフのみんなのおかげですし、そのおかげで我々もより良いものを作ろうと思う原動力になっています。
もちろん、小さくやるという選択肢もありました。しかし、どうせエネルギーを使ってなにかやるなら大勢で作り上げたいと思うのです。

実際に不動産番組をやってみた結果

最初は海のものとも山のものともつかない形で立ち上げた番組ですが、私自身、不動産はまったくの素人。最初から大上段に構えたものを作ることなどできないのはわかっていました。
たまたましゃちょーが魚をさばくのが上手(元・魚屋でマグロ解体ショーなども趣味でやっているので私も何度かアシスタントをしていた)ということもあり、放送作家を担当してくれるメンバーとも相談して、しゃちょーのキャラクターが分かる番組なら良いのではないかと。また、しゃちょーの華麗なる人脈でいろいろな方と私たちの会社との化学反応も起こしてみたいと考え、ゲストトークと魚さばきの2つの柱で番組を始めました。
実際に番組を始めてみると、再生回数はたいしたことない状態でも身近な方々から「観たよ」のお声が増えていきました。不動産管理会社というと、通常は入居者さんからすると物件のトラブルなどがあった際に連絡するところ、オーナー様にとってはトラブルがあったときに連絡が来る相手です。しかし、この番組を通じてしゃちょーの人柄が伝わるようになると、番組を見てくださった方との距離が縮んでいきました。

まさかの展開…

結果的に、番組を観て安心したという要因もあり、賃貸仲介や管理委託などのお話しをいただけることが増え、営業らしい営業をしていない状態でお仕事が増えていくことになりました。
YouTubeチャンネルを運営していると、とにかく再生回数を増やすことに執着しがちですし多いに越したことはないのですが、心の距離を縮めることでお仕事のご相談も頂きやすくなるということがわかりました。
ただ、これがベストパターンかというと、生放送慣れしたMCや必要十分なスタッフ、機材、真っ当な放送作家、動画やテロップなどのクリエイターが揃う前提でなければ同じような結果は出ないと思います。生放送でトラブルがあった時に社長自身が出演者として真っ先にお詫びができるというのも重要な要素なので、リーダー自身がどこまでコミットできるかというのも成否を分けるでしょう。その点、うちのしゃちょーは慣れないことにも嫌な顔などせず、毎週頑張って下さっています。

次の展開

最近は、借金に悩む業務委託先の映像作家の借金返済ドキュメントというコンテンツも始まりました。毎日短い動画が更新されていきますが、これも社長の魚さばきと双璧をなす大切なコンテンツになっています。
私自身も経営者としてお金の悩みは多かったので、ライブ配信の本編でもそういったコーナーをスタートしました。これからの時代の理念経営・共感マーケティング・PR手法としてどんな方向性でいけばよいのか。日々試行錯誤しながらコンテンツを作成していきたいと思います。